【THE FIRST SLAM DUNK】井上雄彦&“宮城リョータ役”仲村宗悟、AMDアワード受賞に喜び「とても意味のある作品に」 『第29回AMDアワード授賞式』


優秀なデジタルコンテンツなどの制作者を表彰する『第29回AMDアワード』(主催:一般社団法人デジタルメディア協会)の授賞式が5日、都内で行われ、『THE FIRST SLAM DUNK』がAMD理事長賞を受賞。『SLAM DUNK』原作者で、本作の監督を務めた井上雄彦氏、宮城リョータ役の声優・仲村宗悟が代表して出席した。

 同作は、『週刊少年ジャンプ』で1990年42号から1996年27号まで連載していたバスケットボール漫画『SLAM DUNK(スラムダンク)』が原作。湘北高校バスケ部に入部したバスケ初心者の主人公・桜木花道が、チームメイトの流川楓との衝突や強豪校との試合の中で才能を急速に開花させていく姿が描かれている。

 手に汗握る試合の描写やバスケに青春を懸ける登場人物たちが、読者の共感を呼び圧倒的な支持を受け、国内におけるシリーズ累計発行部数は1億2000万部を突破。1993年~1996年にテレビアニメが全101話放送された。

 新作映画では、監督・脚本を原作者の井上雄彦氏、アニメーション制作は東映アニメーション/ダンデライオンアニメーションスタジオが担当。湘北メンバー5人のボイスキャストは、テレビアニメ版から一新され、宮城リョータ役を仲村宗悟、三井寿役を笠間淳、流川楓役を神尾晋一郎、桜木花道役を木村昴、赤木剛憲役を三宅健太が務めた。

 選考理由は「連載終了から26年、原作者井上雄彦氏自ら監督となり作り上げた新作映画。モーションキャプチャーを駆使した3DCG、共感を呼ぶ魅力的なキャラクター、音楽とあいまって生まれるストーリーの疾走感、そして隅々にまで行き届いた細かな仕上げは本当の試合を見えているかのような気分にさせた。『スラムダンク』を読んだことのない人たちも引き込み、国内興行収入は158億円を超え、中国、韓国などアジア各国で記録的大ヒットとなった。マンガがそのまま動き出したような誰も観たことのないアニメーションで、新しい感動を生み出した創造性を讃える」という内容だった。

 優秀賞受賞時に井上氏は「お招きいただきましてありがとうございます。まずは映画を見てくださった方々に感謝申し上げたいと思います」とあいさつ。「見てくださった方の心の中に、何かポジティブなさざなみのように何かが残っていれば、自分たちはすごくうれしいです」と笑顔を見せた。

 続けて『AMDアワード』への思いも。「自分にとっては選んでいただいたっていうのはすごく意味のあることでして。浜野保樹先生、AMDワードの設立から深く尽力されてきた方ですけど、自分にもすごく折に触れて、何度も何度も励ましていただきました。いつも我々作る側の人間の側に立って応援していただいて、ある時は漫画家の自分に『映画作ってみたらどうだ』みたいなことを言っていただいて。今回の映画『THE FIRST SLAM DUNK』を製作してる間、その言葉が何度も頭に蘇って、ちょっときつい時とかも踏ん張る力になりましたし、前に進む力になりました」としみじみ。「改めまして、自分にとってすごく意味のある受賞でした。ありがとうございました」と感謝していた。

 続いてAMD理事長賞の授賞式に。井上氏は「さっきしゃべったんで、2回しゃべる想定をしていなかった」と苦笑いしながらも「映画が去年の8月まで上映してまして、そのちょうど最後の日に沖縄に行ってまして、日本代表の男子バスケが勝ちました。パリオリンピック出場決めまして、その後、女子も決めました。バスケ界にとって素晴らしい風が吹いております。皆さん応援よろしくお願いします」と笑っていた。

 仲村も壇上に。「このような素晴らしい賞をいただきまして、誠にありがとうございます。僕は、この宮城リョータを演じる初収録の日に井上雄彦監督から、こう言われたんです。「きょう、演技をしないでください』って。『え?声優なのに』と思って最初はすごくびっくりしたんですけど、その後にまた言われた一言があって。『僕はこのTHE FIRST SLAM DUNKのオーディションの際に、そのまましゃべってる仲村さんの声を聞いて、そのまま宮城リョータかなと思ったんで、そのままやっていただければ、この作品は良くなります』っていうお話をいただいた」と明かす。

 憑き物が落ちたような感覚になったそうで「本当にいい収録になりました。他の役者陣もきっとそうだったんじゃないかなと思います。本当にたくさんの方に見ていただきまして、僕は今この場で代表して立たせてもらっていますが、役者陣、そしてスタッフ陣と共にみんなで立ってるような気持ちでここに立たせてもらってます。本日は誠にありがとうございました」と感慨を語っていた。

■『デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー’23/第29回AMDアワード』主な受賞一覧
【大賞/総務大臣賞】日曜劇場『VIVANT』
【AMD理事長賞】『THE FIRST SLAM DUNK』
【優秀賞】新しい学校のリーダーズ、アニメ【推しの子】、ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー、将棋チャンネル、STOP!海賊版『ありがとう、君の漫画愛。』、ストリートファイター6、『PARCO HAPPY HOLIDAYS 2023』生成AI広告、Pokemon Sleep、
【功労賞】:宮本茂(任天堂株式会社 代表取締役フェロー)
【江並直美賞(新人賞)】:加藤創(株式会社MIERUNE グラフィックデザイナー)
【リージョナル賞】:『みんなで創る!佐賀市公式スーパーアプリSAGACITEY』

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